危機管理術
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その他の類似事例帰社途中に「てんかん」発作で死亡事故を起こし、会社に使用者責任高速道路を走行中に心筋梗塞を起こして死亡し、3日間の事業停止処分事例Ⓐ事例Ⓑ 平成20年3月9日、建設会社の従業員が医師の処方どおりに「抗けいれん剤」を服用せずに、貨物自動車を運転して仕事先の建築現場から会社へ帰る途中、発作を起こして意識を失って歩道に突っ込み、信号待ちをしていた中学生に衝突し、死亡させました。 会社は、過去に運転していた従業員が「てんかん」による事故を起こしたことを知っており、医師の処方どおりに薬を服用しなかったことや、事故当日の朝、自動車を運転することについて何ら注意も与えていなかったなどとして、使用者責任が問われました。 平成24年2月28日、K運送の乗務員が高速道路を走行中に心筋梗塞を起こして死亡していたことから、九州運輸局では巡回監査を実施、次の法令違反が判明しました。 ① 運転者の健康状態を把握していない ② 運転者台帳の記載事項等の不備 ③ 点呼の実施が不適切、点呼の記録・記載事項等の不備 ④ 運行指示書による指示をしていない、指示書を携行させていない ⑤ 乗務等の記録の記載事項等の不備 ⑥ 勤務時間・乗務時間等について国土交通省告示を   遵守していない ⑦ 指導・監督が不適切 ① 3日間の事業停止(本社営業所) ② 事業用自動車の使用停止 284日間   (2両×94日間、1両×96日間) ① 刑事責任(運転者に対して) ・自動車運転過失致死傷罪で禁錮2年8月の実刑 ② 民事責任(会社、運転者に対して) ・約7,742万円の損害賠償こんな処分を受けた!こんな処分を受けた!どんな事故だったのかどんな事故だったのか32第1章 会社を守るリスク管理のポイント

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