sidom02
96/108

86 長時間連続運転等による過労及び飲酒等の生理的要因並びに慣れ及び自分の運転技能への過信による集中力の欠如等の心理的要因が交通事故を引き起こすおそれがあることを実例を説明すること等により理解させる。また、運転中に疲労や眠気を感じたときは運転を中止し、休憩するか、又は睡眠をとるよう指導するとともに、飲酒運転、酒気帯び運転及び覚せい剤等の使用の禁止を徹底する。 (11) 健康管理の重要性 疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを事例を説明すること等により理解させ、定期的な健康診断の結果に基づいて生活習慣の改善を図るなど適切な健康管理を行うことの重要性を理解させる。 3 指導及び監督の実施に当たって配慮すべき事項 (1) 運転者に対する指導及び監督の意義についての理解 貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業法その他の法令に基づき運転者が遵守すべき事項に関する知識のほか、トラックの運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能及び知識を運転者に習得させることについて、重要な役割を果たす責務を有していることを理解する必要がある。 (2) 計画的な指導及び監督の実施 貨物自動車運送事業者は、運転者の指導及び監督を継続的、計画的に実施するための基本的な計画を作成し、計画的かつ体系的に指導及び監督を実施することが必要である。 (3) 運転者の理解を深める指導及び監督の実施 運転者が自ら考えることにより指導及び監督の内容を理解できるように手法を工夫するとともに、常に運転者の習得の程度を把握しながら指導及び監督を進めるよう配慮することが必要である。 (4) 参加・体験・実践型の指導及び監督の手法の活用 運転者がトラックの運行の安全を確保するために必要な技能及び知識を体験に基づいて習得し、その必要性を理解できるようにするとともに、運転者が交通ルール等から逸脱した運転操作又は知識を身に付けている場合には、それを客観的に把握し、是正できるようにするため、参加・体験・実践型の指導及び監督の手法を積極的に活用することが必要である。例えば、交通事故の実例を挙げ、その要因及び対策について、必要により運転者を小人数のグループに分けて話し合いをさせたり、イラスト又はビデオ等の視聴覚教材又は運転シミュレーターを用いて交通事故の発生する状況等を間接的又は擬似的に体験させたり、実際にトラックを運転させ、技能及び知識の習得の程度を認識させたり、実験によりトラックの死角、内輪差及び制動距離等を確認させたりするなど手法を工夫することが必要である。 (5) 社会的情勢等に応じた指導及び監督の内容の見直し 指導及び監督の具体的内容は、社会情勢等の変化に対応したものでなければならない。このため、貨物自動車運送事業法その他の関係法令等の改正の動向及び業務の態様が類似した他の貨物自動車運送事業者による交通事故の実例等について、関係行政機関及び団体等から幅広く情報を収集することに努め、必要に応じて指導及び監督の内容を見直すことが必要である。 (6) 指導者の育成及び資質の向上 指導及び監督を実施する者を自社内から選任する貨物自動車運送事業者は、これらの者に対し、

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です