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32 1.過積載による事故要因と社会的影響 (1) 過積載による事故の要因 【解 説】 過積載によって生じる車両の状態としては、以下のようなことが起こりやすくなることを理解させましょう。 ○制動距離が長くなります。 ○衝突時の衝撃力は重量とスピードに比例して大きくなるため、被害が大きくなります ○高重心になりやすく、バランスを崩しやすくなります。 ○下り坂ではスピードが出やすく、ブレーキへの負担が多くなり、ブレーキライニングが加熱してブレーキが効かなくなるフェード現象を引き起こす恐れがあります。 定量積載10t車の制動距離 40km/h 80km/h 10t(定量) 13.3m 50.3m 14t(140%) 14.6m 58.9m 18t(180%) 16.1m 70.3m 出典:(社)全日本トラック協会「大型トラックの安全運行に関する調査研究報告書(H.3.3)」 Ⅴ.過積載の危険性 本章では、過積載による危険性、運転者に対する罰則、過積載防止のための配慮事項などを整理しています。 指導においては、過積載が引き起こす交通事故の実例により、運転者に危険性を認識させるとともに、過積載を防止するために、運転者だけでなく、事業者や運行管理者に何が求められているのかなども理解することが大切です。【指針第1章2-(5)】 指導のねらい 過積載の状態は、衝突時の衝撃力の増大、バランスを崩しやすくなるなどにより、重大事故を招くこととなります。過積載によって運行にどのような危険を及ぼすのかを認識させましょう。 ポイント 過積載によって、車両は事故を招きやすい状態となります。過積載によって生じる車両の状態を確認し、過積載運行はしないことを心がけるよう認識させましょう。

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