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(29)13-11平成25年度 交協連主催交通事故防止標語・体験記・児童画募集応募作品平成25年度 交協連主催交通事故防止標語・体験記・児童画募集応募作品体験記の部 優秀賞 「事故ゼロ」を目指す(株)藤原重機 藤原 徳香 私は、仕事をしている中で、事故が起きたという一報を聞くのが一番つらい時です。事故の報告を受けた時、特に思い出すことがあります。 私は、結婚を期に運送会社の経理部で働いていますが、独身時代は看護師として、大学病院の救命救急センターで働いていました。 当時、3次救急の指定を受けた病院でしたので、大変な重傷患者が毎日搬送されてきました。その中でも、交通外傷の患者さんは、慣れている私達でも 目を背けたくなるようなとても悲惨な状態であることが多かったです。 ある日、救命救急センターの扉の前で、初老の女性が、土下座をし、病院の冷たい床の上に額をこすりつけながら、「助けて下さい。助けて下さい。」と声をあげ、長時間にわたり祈り続けている姿を見ました。私は搬送された患者さんの家族の方と思い、胸がしめつけられる思いがしました。 しかし、その女性は、交通事故の加害者のお母様だったのです。息子が起こした事故の被害者と、その家族が集まる病院を訪れ、謝罪し、どうか助けてほしいと祈っていたのです。それを知った時、本当につらい気持ちになりました。交通事故が、加害者、被害者を問わず、周りのすべての人々を不幸に陥れていく恐ろしさを痛感しました。 この出来事が運送会社で働くようになった今、痛烈に思い出されます。絶対に交通事故の加害者にも、被害者にもなりたくないという強い気持ちが湧き上がります。会社の仲間やその家族にも、絶対につらい思いをしてほしくないのです。きっと皆、同じ思いだと思います。しかし、私達の会社の事故は起きます。「事故ゼロ」が私達の大きな願いであり、目標であるにもかかわらず、なかなか達成できないのです。皆、事故をなくしたいと思っているのになぜ事故が起きるのか、どうすれば事故がなくなるのか、素人の私が考える中で運行管理の勉強をしてみようと思いました。 昨年、3日間の基礎講習を受講させて頂き、今年3月の運行管理者の試験に合格することが出来ました。基礎講習で学んだ内容は、とてもすばらしいものでした。私達の会社ではまだまだ「ズボラと横着とうっかりミス」で事故が起きるという思いが強いように感じます。講習では、事故は起きるべくして起きているのだと気付かされました。いろいろな法律やルールに守られていることがわかりました。健康管理や社内の環境整備も含め、大切な事を学ぶことができ、社内教育にもっと力を入れるべきだと感じました。 「事故ゼロ」への取り組みは、会社からの押し付けでは改善は難しいと感じました。また個人個人が、それぞれにがんばったとしても効果が薄いのではないかとも思いました。皆が一体となり同じ意識、目標を持ち、行動することが出来れば「事故ゼロ」に繋がると思います。 私は経理部で皆には関係がないと思われるかもしれませんが、経理部でも 皆と一緒に事故について考えたいのです。事故の為にどれだけの損失があったのか、それが皆の給与にどれだけの影響を与えたか皆に知ってもらいたいです。それよりも、何より私は会社の仲間すべてとその家族が幸せであってほしいと 心から願っています。 看護師時代、当然事故対策にはかなり真剣に取り組みました。無数の事故予防策の中で個人ででき、簡単で、トラック運転手によいと思う事を1つ紹介します。それはイメージトレーニングです。事故を起こさない自分をイメージするというような抽象的なものではありません。1日分の自分の行動のすべてを 仕事に取り組む前に具体的にイメージするのです。これは慣れてくると、時間のかかる事ではありません。そうすることで、今日1日注意しなければならないこと、危険な場所、休憩時間・場所、イレギュラーの予想など、すべてを理解することが出来ます。もし疑問や不安があれば、事前に対応が可能になります。イメージトレーニングは具体的であればあるほど意味があり、事故の予防に繋がると思います。 今までの私は、社内で大変消極的でした。しかし、今はたくさんの交通外傷患者を見てきた私の経験が役に立つことがあるかもしれないと考え、もっと積極的になりたいと思っています。皆の当たり前の幸せを守り続けたいと、強く思っています。 自動車共済・自賠責共済はぜひ近畿共済でご契約を近畿共済は貨物自動車運送事業者が相互扶助の精神のもと、組織された共済組合です。 お問い合わせ・連絡先 京都事務所(075-671-1894)まで

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