201205
25/32

12-05(24)千葉県白井市立七次台中学校3年もちづきりょうすけ望月 涼介ブレーキ 僕の父は車が大好きで、とても大事にしている。半年に一度は必ず点検に出しているので、そんなに頻繁に点検に出す理由を聞いてみた。 父は、「車はとても便利な乗物だ。けどね、一歩間違えると、危険にさらされてしまうんだよ。自分がどんなに気をつけても、整備不十分で事故にならないとも限らないし、自分だけでなく、周りの人を巻き込んでしまうこともあるからね。」と教えてくれた。 でも、自分は車を運転できないし、自転車しか使わない僕には関係ない話か、と思った。すると、僕の心を見透かしたかのように、父がこう付け加えた。「車だけじゃなくて、自転車も同じだよ。たかが自転車と思っているかもしれないけど、結構、危ないんだよ。」 父はよく、学校まで自転車通学している僕の自転車も点検してくれている。先日はブレーキが片方壊れていたのを、ほったらかしにしていたのを注意された。 また、壊れた前輪を取り替えてくれたこともあった。だが、正直僕はそれらを、あまり気にとめていなかった。 ところがその後、僕は父に感謝すべき出来事がおこった。下校途中のなだらかな坂道で、僕は自転車を相当なスピードを出して走らせていた。そして、「あっ!」と思った瞬間、小さな小さな男の子が飛び出してきた。僕はとっさにブレーキを掛けた。幸いにも自転車とは接触しなかったものの、男の子は驚いた拍子に転んで、泣き出してしまった。 僕は自転車を降り、「大丈夫?」と、聞いてみたが、泣くばかりで返事はなく困ってしまった。近くにいたその子の友達に尋ねると、その子の母親は少し離れた所で立ち話をしているらしかった。僕は男の子を起こして連れて行き、理由を話して謝った。きつく注意されるかも知れない、とそんな思いが頭を掠めたが、その予想は間もなく裏切られることとなった。「自転車も通る所で遊んでいて、飛び出したうちの子も悪いから。でもこれからは、もう少し注意してね。」その子の母親は、そう言ってくれた。不安と安心しきった心が入り混じる中、僕はゆっくりと自転車を漕いで帰った。その途中以前父が言ったことを思い出していた。その時は、自転車がまさか加害者になるなんて、ということは想像できなかった。事故が起きた時、もしブレーキが壊れたままだったらそう考えると怖くなった。きっと大きな事故での加害者や被害者も、最初は僕と同じ思いだったに違いない。自動車や自転車、歩行者、それぞれが自分の事だと意識した上で、互いに少しずつ気をつければ交通事故は大幅に減るのだろう。今回の事で改めてまめに自転車点検してくれている父に感謝した。 今度、父に点検の仕方を教わって、自分自身で気をつけていきたいと強く思った。無論、ブレーキの点検を怠るつもりはない。 ※ この作文は、内閣府発刊の「交通安全ファミリー作文コンクール優秀作品集」から抜粋掲載させて頂きました。平成23年度 交通安全ファミリー作文コンクール優秀作品集から 平成23年度 交通安全ファミリー作文コンクール優秀作品集から

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です